ナタリア「ガイ! あなたはルークの従者で親友ではありませんか。本物のルークはここにいますのよ」(崩落編046「フォミクリー」)ガイ「そういや自己紹介がまだだったけな。俺はガイ。ファブレ公爵のところでお世話になっている使用人だ」(外殻大地編015「ルークの決心」)ガイ「いやいや、俺はただの使用人だって」(外殻大地編フェイスチャット「豪華なメンバー」)
ガイ「友達だろ? あ、俺、下僕だったわ。わりぃわりぃ」(崩落編051「親友」)ガイ「(略)そうなれば、あいつと俺は仇の息子とその使用人じゃない。(略)」(レプリカ編137「この後もずっと」)この「使用人」、と「従者」の間には大きく隔たりがあります。
男性使用人と言えば、下記の通りの役職がありました。
(雑用)→ 給仕 → 従僕 → 従者/執事/家令
従僕以下はお仕着せと呼ばれる衣装を着せて、使用人と雇い主の関係を明確化させたので、上級使用人と下級使用人の差ははっきりしています。
ガイが私服を着ているのも、従者と呼ばれる「主人の身の回りの世話をする専門の使用人」だからで、従者は執事の管轄範囲外であることも多かったみたいです。
命令系統が別個というか…。
従僕は屋敷内にたくさんいるので、第一、第二…と上り詰めていくのも大変だったようです。ファブレ家みたいな王国第二の大貴族の屋敷なら、男性使用人もたくさんいたと考えられます。
軍人貴族的な側面もある時代っぽいので、産業革命が発達しておらず、男性の雇われ先が貴族や豪商の家の手伝いというものが確立されているようなので、男女比も男性>女性と予想。
いわゆる、メイド=使用人=女性、というイメージは、男性が産業革命で工場の労働力として駆り出され、女性を仕方なく活用し始めたヴィクトリア時代のイメージが今も残っているため、古い時代は男性がメインだったとか。
なので、公爵が総大将を務めるファブレ公爵家も相当数の男性を雇っていると思います。
で、その中でも数人にしかなれない「従者」「執事」「家令」という上級使用人の役職ですけども、ラムダスが執事で、家令は出てこないのでファブレ家には存在しないと仮定します。
残りの上級使用人は、未登場のファブレ公爵の従者以外では、ガイしかいないことになります。
つまり、ポッと連れてこられた学校も出てない年頃の身寄りの無い平民の少年が、いきなり従者。ファブレ家には他に子どもがいないので、ガイかラムダスか公爵の従者の誰かが失職しない限りは、大勢の従僕たちの上の席は空かないことになります。
いやいや、ガイは自己申告通りただの「使用人」で、ナタリアのいう「従者」はそう見えるだけ。とも考えられますが、ガイのやってる仕事は基本的にルークの世話で、夕食を食いっぱぐれるくらい音機関に没頭したり(フェイスチャット489「確率の問題」)、海水浴に行けたり、海難救助の資格を取ったり、サーカスに行ったり、シグムント流を十分に習う時間を与えられたり、ダアト巡礼に行ったり、シュレーの丘でパッセージリングの文字を読めたので古代イスパニア語も読めるようです。どんだけ自由時間があるんだってことで、従僕とは考えにくいです。
大勢の男性使用人が憧れる従者という職であり、自由時間も趣味に費やす金銭もたっぷりとあったようですが、それでも自分のことを「従者」とは頑なに言わないガイの姿が見えてくると思います。
そう、つまり、自分はファブレ家の犬じゃない、心から従ってはいない、ってことを言いたいのではないかなと。
ルークはレプリカだから憎んでないとか、もう復讐する気はないと公言してはいたけれど、結局ガイはファブレ家には心の底から仕えることはなかったんじゃないかなと思います。レプリカルークのときですら。
ペールの方が名残惜しそうですしね。ガイがさっと去った後もずっと公爵邸に残り、庭園の世話をしていたようです。公爵はマルクト人嫌いですし、ガルディオス家の右の剣ともいわれたペールの身の上がわかれば追い出すのは当然のはずなんですけれども…。単に庭師の引き継ぎのためにペールは残り続けたとも考えられますが、ガイの引き継ぎは行われていないようです。
だから表向きはガイに暇を出した、といいつつもお互いに合意の上で早々に追い出した、というのが正解なんだと思います。ファブレ公爵がガイを良く思ってないのは、ルークへの手紙を「公爵家の跡取りとして相応しくない人物」として止めたことからも推測できます。ガルディオス家として復興したんだから、付き合いがあっても損は無いように思っちゃうんですけど、公爵はそうは思わなかった、ってことなんでしょうね…。
と、徒然と長いですが、ガイの立場と本人がどう思ってたかを色々考えてみました。
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