菅野ゆきひろ氏の代表作である「DESIRE」ですが、やっとプレイすることができました!
元は1994年7月22日発売のPC9801版の18禁ゲームを、コンシューマ機で1997年9月11日に発売した本作ですが、そっち系のシーンは大幅にカットだのetcで、シナリオによっては大幅にキャラクターが違ってて驚きでしたv
キャラデザも大幅に違うので、なんともかんともですが、音楽はPC98版の方が好きだったかもしれません。
SS版は要所要所にアニメシーンが入れられていて、そこが見所でした。当時の技術からしても凄いことじゃないんでしょうか。ただ、OPはなんというか古臭さをカット割りに感じます。担当している人が当時としても古株の人だったからでしょうか…。
ゲームシステムはコマンド総当たり式で、選択したキャラクターによる1つのエンディングしかないため、ゲーム性はありません。アルバート編とマコト編と2つをプレイすると解答編とも言えるシナリオに進めるので、そこで…という感じです。
解答編は選択肢すらないので、ただただ場面を追うだけのため、ちょっと野暮というか蛇足感は否めません。
[0回]
アルバートは、よくある菅野ゆきひろ作品の男主人公なわけですが、それにしても恋人と会う約束してるのに浮気はないわー。その後も本気で口説きまくってるし、
マコトは最初は恋人に会えなくて可哀想ーと思ってたら、なんなのこの尻軽レズは…!!?となり、でも一応最後の方では一応納得のいく結末になっていました。しかしオリジナル版では本当にただの尻軽ちゃんになっているようで、移植で評価が一番変わったキャラかもしれません。
オリジナル版ではカイルに強姦されて、なし崩し的に…という流れでしたが、SS版ではそんなの表現できないので、五円玉の催眠術に変更されていました。
いや、小道具無しの催眠術にしてほしかったかも…。画面見たとき笑いを堪えられなかったです!
で、このカイルって男がSS版だと筋肉質な大男で人相悪いキャラでして。色んな女にちょっかい出しつつ、マコトが本命だと口説いてくるんですが、後から見たら声優が、松本保典さんでした…!!なんだと!!
最初は本当にただムカつくキャラなんですが、最後の方になると意外と格好良さも出てきて、なるほど、松本さんで正解だわ金髪キャラだし、と思いました。オリジナル版だと普通に美形でしたしね…。ううっ、元のオリジナル版にも声があれば…!!鬼畜ガイ様みたいなのが楽しめたかと思うと私は私は!!!
さて新ヒロインのマルチナことティーナです。
割と最初から、Maltina=Tinaという綴りと、最初の出会いのシーンで予想がついたので、EDには驚きませんでした。
しかし、この作品が長年に渡って多くの人の心に残るゲームなった理由の一つは、プレイヤーキャラが真相を知ることがなくEDを迎えるところにあるからではないでしょうか。
マルチナは最後までアルバートに真実を告げず、運命の螺旋に再び身を投じる……。
アルバートはその時間軸には存在しなくなったティーナを追い求め、世界中を探し続ける……。
真実を知っているのはプレイヤーのみ。
だからこそ、もどかしくてやるせないEDになったのでしょう。
また、エロゲでヒロインと言えば若くて可愛くて処女、初エッチはプレイヤーキャラと、というのが普通ですが、本編ではアルバートに迫っても抱かれず、他の男のものになって子供まで設けてしまいまう。定番を悉く外してきてるのも当時としては凄いことだったと思います。プレイヤーキャラのアルバートの恋人であるマコトは一回もアルバートとエッチせずに、カイルに寝取られるという展開も斬新だったと思いますし…。
それでもマルチナがDESIREで人気があるのは、ヒロインとしての武器は一切持たずとも、やっぱりその健気で一途で、堪え忍ぶ恋をする姿に心打たれた人が多いからじゃないかと思います。
アルバートに再会するために、言葉も通じぬ異国で路頭に迷い(もしかしたら売春もしてたかもしれません)、好きでもない男と結婚し、愛する娘を何度も失い、自分を慕う人々を死に追いやり、罪を何度犯しても、終わりがない人生を何度も繰り返す。
SS版EDの最後のアニメシーンで、反応装置に落下したマルチナが20歳ほど若返ってティーナになるシーンは何度見ても心が痛くなります。
この後、幾日か遡った世界に出現して、アルバートに海岸で拾われるんですよね。
最初はうざったいくらいに、アルアルアルアルアル!なティーナでしたが、アルバートに懐く理由がわかるとやるせないです。
このゲームにハッピーエンドはありません……。
マルチナが反応装置を使って何をしようとしていたのかについては作中では語られていません。
考察サイトを巡ってみたところ、マルチナ単体ではなくティーナと一緒に反応装置に入ろうとしていた、コンパネが破壊された時点でマルチナが諦めている、みたいな記述がありました。
つまり、運命の螺旋に終止符を打つために2人一緒に反応装置に入って、統合されたティーナとして生まれ変わるのが目的だったのではないかとのことです。
なるほど、両方のティーナを救う必要があるというわけか。
だったら、完全版で管野ひろゆきさん以外の方によって追加されたシナリオがありましたが、あれではなくコンパネ破壊されないようにしてマルチナとティーナを反応装置に入れれば、マルチナは螺旋から抜け出せるってことですよね。
残念ながら菅野さんが鬼籍に入られたために、永遠に真・ハッピーエンドは見られることがなくなりましたが、セガサターンの手に入るうちにプレイできてよかったです。
マルチナの終わりなき螺旋が途切れることがありますように。
その先が幸せでありますように。
……ハァ。
PR